ホットリンク社執行役員CMOの飯高悠太さんの『僕らはSNSでモノを買う』が発売されて3ヶ月(現在2019年11月)。 この本が出る前からマーケティング業界では「ULSASS」や「UGC」という言葉が使われるようになったが、発端はホットリンク社である。では、「ULSASS」や「UGC」とはどんな意味なのか。 『僕らはSNSでモノを買う』の第1部 を参照しながら、中小企業や個人事業主でも使えるマーケティング理論なのかを見ていこう。
ULSASS」とはUGCの循環構造である

ホットリンク社の室屋氏は次のように書いている。
ULSSASとは、SNS時代の行動購買プロセスのことです。SNSが普及した現代特有のユーザー行動を活かして、アテンションにUGC(ユーザー投稿コンテンツ)を活用し、費用対効果の優れたマーケティングを行っていくためのものです。
https://note.mu/muroya/n/n32234cc95f2a より引用

一体、どういうことなのか。一つずつ分解していこう。
U:User Generated Contents(UGC)→認知(ユーザが自分の意志で投稿したコンテンツ)
L:LIKE→いいね!
S:Search1→ソーシャルメディア検索
S:Search2→Google、Yahoo!検索
A:Action→購買
S:Spread→拡散
それぞれの行動の頭文字をとったのが、「ULSASS」です。
とくにUGCは大企業が作るコンテンツだけではありません。個人のつぶやき140文字も立派なコンテンツになります。情報過多の時代でも口コミ、特に家族や友人からの情報は特に強いコンテンツとなります。SNSというメディアの中ではUGCは拡散の可能性があるので、コンテンツとしてより強いものとなります。
UGCはシェアされやすい

UGCは情報の信頼性が高いという特徴があります。そのうえ、ユーザにも届きやすい。SNSをやる上で企業の広告を拡散させるためにやっているという人は少ないはず。しかし、それが面白い情報やニュース、特に信頼できる知人や家族から回ってきたものなら、周りにも教えてあげたくなるものです。そして、見に行ったり買いに行ったり行動を起こすようになります。このようにUGCはユーザの行動転換を起こしやすいわけです。そして、単なる企業広告よりもシェアされやすいのです。
UGCを生み出すことは8000万人のパーソナルメディアで取り上げてもらうこと

SNS時代の情報伝播は、企業だけが発信者になるわけではありません。SNSを利用している8000万人もの「パーソナルメディア」にどう取り上げてもらうか、どう広げてもらうのかを考えて、SNSマーケティングを行っていく必要があります。そのためフォロワー数を増やすアカウント運用を考えるだけでなく、UGCを発生させやすい仕組みとそれを広げる仕組みにまで目を向けなければなりません。そうしてUGCを増やし、アテンションを増やし、コンバージョンを上げていくわけです。
スモール・ストロング・タイの法則

情報はバラバラに拡散されていくわけではなく、鎖のようにつながって伝搬していく。これを飯高氏はスモール・ストロング・タイと言い、リアルに近い濃密なつながりの中での情報は、優先度と信頼度が高いと考えています。だからこそ多くのフォロワーを獲得している「インフルエンサー」が良いユーザと言い切れないわけです。それよりも届けたい情報を強い絆がある相手に届けてくれるユーザをキャッチすることがULSASSにとっては大事なこととなるのです。
商品やサービスが肝

あまりにコモディティ化した商品やコンプレックス商品(カツラなど)はUGCは生まれづらいと飯高氏は言っています。一番のポイントは顧客にとって良い商品やサービスを磨き上げることであり、「これを誰かに伝えたい」と思わせることがULSASSのスタートポイントUGCとなるわけです。ユーザを巻き込みながら、サービスや商品についてのUGCを発生させる。これがULSASSであり、中小企業や個人事業主でもできるマーケティング理論といえます。
まとめ

ULSASSとは次の単語の頭文字からとったもの。
U:User Generated Contents(UGC)→認知(ユーザが自分の意志で投稿したコンテンツ)
L:LIKE→いいね!
S:Search1→ソーシャルメディア検索
S:Search2→Google、Yahoo!検索
A:Action→購買
S:Spread→拡散
UGCは大企業のものだけでなく、個人のつぶやきもコンテンツとなり、強い武器となる。特に濃密なつながりの中では信頼度が高い情報としてユーザの信頼度が増す。
ここまでが飯高優太さんの『僕らはSNSでモノを買う』の第1部となります。続きは買って読んでみると良いでしょう。そこには中小企業や個人事業主でもできる施策が書いてあります。わたし自身も個人事業主として頑張って取り組んで行こうと思えるほどです。
ホットリンク社 https://www.hottolink.co.jp/
ムロヤ氏→@rmuroya
飯高悠太氏→@yutaiitaka
(付)炎上について

2019年6月に行われた学習院身体表象学会で、炎上について発表してきました。そのとき利用したのがULSASSでした。問題は「L:LIKE→いいね!」の部分が、「Bad:批判や非難」になったとき炎上が起こるというものです。とくに企業は身体イメージについて無頓着な部分があり、そこの点でユーザを怒らせるという内容で発表しました。それについてはこちらからお問い合わせください。
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