電車やバス、公共の場で赤くて白十字のマークを付けている人を見かけたことがありませんか?それがヘルプマークです。ヘルプマークは外からは見えない疾患などを持っている人がつけているマークで、手助け(ヘルプ)を求める場合があります。では、ヘルプマークの概要について見ていきましょう。
ヘルプマークを身に着けた方を見かけたら

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている方がヘルプマークをつけています。このブログでも紹介した慢性疲労症候群(CFS)/筋痛性脳脊髄炎(ME)の方もつけていることが多く見受けられます。
ヘルプマークをつけている方は、外からはわからない障害や病気を患っている人なので電車・バスの中で見かけたら、席を譲ってあげてください。外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。
ときには、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目で見られ、ストレスを受けることがありますので、「あぁ、ヘルプマークをつけているから体調が悪いんだな」と思いやりのある社会になると良いですね。
いつから始まったの?

ヘルプマークの配布や優先席へのステッカー標示等を、平成24年10月から都営地下鉄大江戸線で、平成25年7月から全ての都営地下鉄、都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーで開始し、さらに、平成26年7月からゆりかもめ、多摩モノレール、平成28年12月から、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院へと拡大して実施しています。
また、平成26年7月から民間企業への働きかけも実施しています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、 経済産業省において、 外国人観光客にもより分かりやすい案内用図記号とするため、平成29年7月20日、JIS Z8210(案内用図記号)が改正され「ヘルプマーク」も追加されました。これにより、「ヘルプマーク」が全国共通のマークになるため、多様な主体が多様な場所で活用・啓発できるようになり、広く普及し、認知度の向上も期待されます。
東京都は、ヘルプマークが全国に普及し、援助や配慮が必要な人がいることへの気づきや思いやりのある行動を促進することを目指しています。
どこで手に入れられるの?

東京都では、以下のところで手に入れられます。
営地下鉄各駅(押上駅、目黒駅、白金台駅、白金高輪駅、新宿線新宿駅を除く)駅務室、都営バス各営業所、荒川電車営業所、日暮里・舎人ライナー(日暮里駅、西日暮里駅)駅務室、ゆりかもめ(新橋駅、豊洲駅)駅務室、多摩モノレール(多摩センター駅、中央大学・明星大学駅、高幡不動駅、立川南駅、立川北駅、玉川上水駅、上北台駅)駅務室(一部時間帯を除く)、東京都心身障害者福祉センター(多摩支所を含む)、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院等
ヘルプマークは対象の方、またはその代理人(家族や支援者など)からの口頭による申し出により、一人一つまでの配布となります。サービス提供事業所や団体などが利用者や会員へ一律に配るなどの目的であっても、複数個の配布はしていません。都内在住の方で配布場所に取りに行くことが困難な場合は、郵送での対応をしてくれるので相談してみましょう。
障害者施策推進部 計画課 社会参加推進担当(03-5320-4147)
また、東京都だけではなく 令和元年10月31日時点で導入されている道府県は以下のとおりです。
京都府・和歌山県・徳島県・青森県・奈良県・神奈川県・滋賀県・大阪府・岐阜県・栃木県・広島県・北海道・秋田県・愛媛県・島根県・兵庫県・鳥取県・静岡県・山梨県・三重県・香川県・長崎県・宮崎県・佐賀県・富山県・長野県・高知県・愛知県・埼玉県・岩手県・山形県・沖縄県・福島県・宮城県・山口県・石川県・茨城県・新潟県・群馬県・千葉県 全1道2府37県
自分の住んでいる都道府県の福祉担当の部署に電話をかけてみれば、ヘルプマークがどこで手に入れられるか教えてもらえます。
ヘルプマークは手作りも可能?

ヘルプマークは手作りをすることも可能です。ただし、ルールがあるのでそれをしっかり守りましょう。そのルールはこちら。 ガイドライン(Word:5,054KB)
ルール1
「3 デザインガイド」を遵守すること ※都が提供する見本と同じものを作成してください。
ルール2
(1)要件 ヘルプマークの主旨に合致すること
※主旨に合致するか否かの判断がつかない場合は、御相談ください。
ルール3「3 デザインガイド」を遵守すること ※都が提供する画像をそのまま使用する
これらのルールを守れば、手作りのヘルプマークを着用してお出かけも可能になります。もし、これで大丈夫かなと不安になったら、すぐに相談してみるのが良いでしょう。
東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 社会参加推進担当
E‐Mail S0000230@section.metro.tokyo.jp
可愛いデザインだから買っちゃダメ?
買ってはダメなのです。ルールとして、ヘルプマークの転売は認められていません。ハンドメイドサイトで売られているものもありますが、そこはグッと我慢しましょう。
ヘルプマークの認知度はまだ高くない

ヘルプマークへの取り組みは広がっていますが、妊娠していることを示すマタニティマークなどに比べると一般の認知度はまだ低いと言えます。 また、導入していない自治体もある上、導入している自治体でも、多くはヘルプマークを窓口配布のみとしており、移動が難しい人にとって入手しにくい場合もあります。
東京から始まり、東京オリンピックに向けて全国へ広がり始めたヘルプマーク。早くこのヘルプマークが多くの人に認知されることを願います。
参考URL 東京都福祉保健局「ヘルプマーク」
萩原崇 (@t_panda123)
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