【計算しつくされたSNS】倉持由香の『グラビアアイドルの仕事論』

マーケティング
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「尻職人」として有名な倉持由香さん。しかし、尻職人というニッチなジャンルのトップに立つまで相当な苦労があった。そこで活躍するのがSNSのTwitterである。彼女がいかにしてSNSを戦略的に駆使していったのかを見ていこう。単なる「尻」を武器にしたアイドルではなく、マーケティングを行う人にとっても重要な示唆がこの本には書かれている。

自画撮りで顧客目線を考える

倉持由香さんの顧客は誰か。「おじさん」である。そのおじさんが自分に何を求めているのかを徹底的に考え抜くこと。それによって自分の進むべき戦略が見えてくる。

そして、その戦略活動に必要なのがストーリーだ。人から応援されるためには、ある種のストーリーが必須となってくる。一過性のバズではなく、過去から現在、そして未来へとつながるストーリーを提示することで、共感を得られるようになる。共感を得られるということは、応援にも繋がりファンの獲得にもつながっていく。

知名度のピラミッド理論

この知名度のピラミッド理論はファンを3段階に分けて考えたものである。

底辺の幅広い層は何かしらの形で自分を知ってくれたライトな層。
中間層は、興味を持ち実際に商品を買ってくれたミドルコア層。
トップは撮影会やイベントへ足を運んでくれる層。

この3つの層に分けられるが、きれいな三角形のピラミッドにはならない。
きれいなピラミッドは理想形だが、実際の活動を通していく中で炎上が起きたりすると、つぎのようないびつなピラミッドになっていく。

このいびつなピラミッドでファン層を形成すると、知名度は上がるかもしないが、ミドルコア層とトップ層は増えない状態になってしまい、活動に支障をきたすことになってしまう。

競合相手のいない山を登れ(ブルーオーシャンの創造)

倉持由香さんが悶々と活動に苦しんでいたとき、トップにいたのが篠崎愛さんでした。彼女と同じ土俵で戦っていては勝負になりません。そこで出てきたのが、「尻職人」としての倉持由香でした。競合相手のいないニッチな戦場を作り出し、そこで戦うことでニッチなジャンルでのトップへと上り詰めたのです。

自画撮りの継続→単純接触の原理

何らかの情報を継続して発信することは、「単純接触の原理という」、人は接触回数が多い人に好感を持つという理論があります。それが倉持由香さんの場合、自画撮りであり、「#尻時計」というタグを使ったTwitterの投稿です。
現在のTwitterでも「ツイ廃」という言葉があるように、多くのツイートを息をするようにしている人たちがいます。マーケティング界隈なら「jigen_1(@Kloutter)」さんや「飯高悠太(@yutaiitaka)」さんがそうです。

彼らがマーケティングや経済の情報について多く流すことによってフォロアーたちは有益な情報と知り、読み、拡散(リツイート)されていきます。

倉持由香さんの場合も同様です。 「#尻時計」というタグとともに投稿されるセクシなーおしりの写真をフォロワーは今か今かと待つことになり、インプレッションの増加が見込めるようになります。

そして、つぶやき続ける継続力。常に新しい情報でなくても構わないと倉持由香さんはいいます。むしろ強く主張したい考えやアピールがあるならば意識的に発信していくことも重要だと考えているようです。ただし、1年間継続してもうまく結果が出ない場合は方向性が間違っている可能性があるので検討が必要になってきます。

数字という根拠と説得力

フォロワー数はもとより、インプレッション、エンゲージメントなどをツイートアクティビティで倉持由香さんは冷静に分析します。それができるのはいくつもの自画撮りを投稿し、そこにデータが集積されるからです。そのデータをもとに実際のグラビア撮影現場でも、衣装や水着を数字を根拠に決めることがができるのです。

また、告知するタイミングもネットのゴールデンタイム(22時~深夜1時)を中心に告知し、平日ならば家事や仕事終わりの19時以降に告知を行うようにしているそうです。ここにも数字から導き出されたPDCAサイクルが見て取れます。

したたかな戦略を持つグラビアアイドル倉持由香

最後に倉持由香さんがどれだけ数字と向き合っているのかを確認して終わりにしよう。

私は一つひとつの数字を眺めて、つぶやきの時間がよくなかったのか、文章をもっとネタっぽくすべきだったのかといった形で分析材料にしています。数字の確認は、自分の努力の方向性を検証することができるので、それぞれの数字の意味をぜひかんがえてみてください。

倉持由香『グラビアアイドルの仕事論』p79

個人はツイートを単なるつぶやきにするのではなく、フォロワーを増やすためにどのよにすべきなのか冷静に分析する。マーケッターならばKPIなどの数字だけでにとらわれるのではなく、なぜ、どうしてそのような数値目標が設定され、ロードマップを描くことが重要になってくる。そのことを倉持由香さんの『グラビアアイドルの仕事論』は教えてくれるのである。

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萩原崇(@t_panda123

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